今年(2026年)2月の衆院選に東京7区から立候補した国民民主党の候補らが公職選挙法違反の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは、候補者本人、SNS運用会社社長、陣営の会計担当者の3人。新聞報道によりますと逮捕容疑は以下の通りです。
【以下引用】
3人は共謀して1月下旬~2月上旬、××容疑者の運動員の10~20代の女子大学生5人に対し、ビラ配りなどの選挙運動をした報酬として、現金計27万円を支払った疑いがある。いずれの認否も明らかにしていない。
(朝日新聞オンライン 2026年2月21日より引用。ただし容疑者の氏名は伏せ字とした)
3人の認否は明らかにされておらず、この稿を執筆している時点では刑事裁判で有罪判決も確定していません。そのため、現状では推定無罪として扱う必要があります。ただ捜査では、運動員の多くは大学生のインターンで、10人以上に日当1万円を支払ったことが分かっているとのことです。
選挙運動は無報酬が原則です。車上運動員(いわゆるウグイス)や手話通訳者など一部例外はいますが、それ以外の場合に対価を支払えば買収とみなされ、公職選挙法違反となる可能性があります。
ここで気になるのは、候補者ならびにSNS会社社長、そして大学生たちは、この「無報酬の原則」をご存じだったのでしょうか。
まず候補者は、名前は伏せますがとある民放キー局の元社員で、都議を2期務めた経歴の持ち主。マスコミや政治の舞台でキャリアがあるだけに、十中八九知っていたと思われますが、実際はどうだったのでしょうか?
SNS会社社長について、知らなかったと見る向きもありましたが、大学生たちに口止めしていたと言う証言があるので、違法性を認識していた可能性が高いです。2024年の兵庫県知事選において、PR会社の女性社長がメディアプラットフォームにSNS戦略を披露し、刑事告発されたのは記憶に新しいところ。いずれにしても、選挙とビジネスの境界が曖昧になってしまうと、法的リスクにつながるケースは少なくありません。
そして大学生ですが、おそらくこの人たちの多くは、選挙運動は無報酬であるということを十分に理解していなかった可能性があります。ボランティアであるはずの選挙運動を、アルバイトの延長のように受けて止めて参加したのかもしれません。
警視庁は今後、大学生にも任意で事情を聴く方針とのこと。「お金をもらっていけないとは知らなかった」という供述が出てきそうですが、知らなかったでは済まされません。
選挙に関わるすべての人が、公職選挙法の基本原則を理解しておくこと。その重要性を、あらためて強く感じさせる事案です。主権者教育のさらなる充実も、今後の課題と言えるでしょう。



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