記者だったころ、取材で選挙事務所を訪れるとしばしば質問されました。
「おたくの新聞の世論調査では、うちの候補者はどうなってる?」 選挙期間中のマスコミの情勢調査を教えろという質問です。
かなりの人たちが誤解をしているのですが、マスコミはなんでもかんでも情勢調査をしているわけではありません。調査にはかなりの費用がかかります。特に昨今は、オールドメディアはどこでも非常に厳しい経営状況にあり、そのなかでも新聞社、通信社は瀕死の状態です。
実際にどのような費用がかかるのかというと、人件費がほとんどです。期日前投票の出口調査のアルバイト代。統計学上の有効なデータをとるためには、選挙人名簿を市町村役場で確認する作業が必要です。それにも人件費がかかります。ちなみに、確認した後、選挙人名簿から選んだ対象者に調査員が連絡をするので、これも人件費がかかります。
昔(20年くらい前まで)でも、選挙の情勢調査は、国政選挙(衆院選・参院選)と、注目の地方選挙にほぼ限られていました。そのころから、市町村の議員選挙でマスコミがこのような莫大な費用を使った情勢調査をすることはほぼ皆無でした。
では、市町村の議員選挙の情勢について、マスコミはなにも把握していないのでしょうか? そんなことはありません。
費用がかかる情勢調査の場合、記者たちの取材結果を加えて、最終的に判断していきます。つまり、通常の市町村の議員選挙と首長選挙でも、担当記者であれば、ある程度の感触は知っています。
脱線しますが、最近は選挙取材に割ける記者の時間がかなり削られているのが現状です。理由は、記者の数をどこの新聞社も減らしすぎたからです。地域によっては、テレビ局の記者のほうが多いというところもあります。新聞社の強みは記者の数だったのですが、それすらもかなぐり捨てるくらいのありさまです。(脱線終わり)
話を戻します。記者は数値データに頼らない選挙情勢を把握しています。ただ、これは取材する際の意識でかなり左右されます。
「どっちみち投開票日に結果がわかるんだからどうでもいいや」。そう思っている記者は、データに頼らない情勢把握の感度は下がります。実際に、そういう記者のほうがほとんどです。おそらくですが、社内で評価されない取材には、あまり力を注がないのが「普通の記者」なのだと思います。
一方、自分なりに課題をもって取材している記者は違います。年数を経ると「実力」の差が開いていきます。非常に手前味噌ですが、記者経験のある「POLI-LOG西日本」のスタッフは、選挙取材を積極的にしてきたメンバーがそろっています。良く言えば「積極的」。マスコミの主流はからみたら「もの好き」です。ただ、この「もの好き」が「POLI-LOG西日本」のサービスの出発点です。
選挙結果は新聞紙面の一部にさりげなく載っていますが、その裏には、たくさんのドラマがあります(陳腐な表現ですみません)。長年の経験を世の中の役に立てたいと思って始めたのが「POLI-LOG西日本」のサービスです。どうかよろしくお願い致します。
ちなみに、ほんとうに情勢調査をしている選挙の場合、冒頭の質問をされると、だいたいは苦笑いをしてなんとなくごまかすようにしていました。



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