「ゼロワン議会」という言葉をご存じでしょうか? 女性議員がゼロ、または1人しかいない議会を意味します。
報道によると、全国1741市区町村議会のうち、ゼロワン議会は594もあるとのことです。実に3分の1以上を占めています。このうち、女性議員がゼロの議会が211で、1人の議会は383でした。政治の分野において、依然として女性の参画が進んでいない現状が浮き彫りとなっています。
私自身、この言葉を初めて聞いたとき、「なぜゼロワンなのか?」と疑問に思いました。女性議員が少ないながらも1人はいる議会と、まったくいない議会を同列に評価するのはおかしいと率直に感じたのです。
ところが調べてみると、事情はそう単純ではありませんでした。女性議員が1人だけでは、同性の相談相手がいなかったり、「女性の視点」からの議会質問や議員活動を一手に背負うこととなったりするため、負担が大きくなるとのこと。結果としてゼロ議会に戻るケースも少なくありません。1人よりも2人いるほうが、状況は良くなるとされています。
このことを知り、己の不明を恥じました。認識の浅さを痛感したのでした。確かに新聞記者時代、さまざまな地方議会を取材しましたが、定例会の休憩中、議場で女性議員同士が意見交換している場面を見かけたことは一度や二度ではありません。会派が異なっていても関係を構築していることが多く、特に地方議会では政党色が比較的薄いこともあり、保守とリベラルの女性議員同士が立場の違いを超え、お互い敬意を示していることも珍しくはありませんでした。
女性議員が増えない理由には、「政治は男性の仕事」というステレオタイプ、有権者や支援者、同僚議員や執行部からのハラスメント、育児や家事との両立の難しさなど、さまざまな背景があります。2021年には「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が公布・施行されていますが、その内容が広く認知されているとは言えません。
国会に目を向けても、日本の女性議員の比率はOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも最も低いレベルにとどまっており、世界的に見ても遅れを取っています。
このコラムやサイトで何度も言及していますが、有権者の意見はここ数年、大きく多様化しています。にもかかわらず、その意見を受け止める議会は、いまだ硬直した組織であると言わざるを得ません。女性に限らず、多様な人材が市民の代表として政治に参画し、さまざまな声が施策に反映される社会を実現したいものです。


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