選挙運動で報酬を支払えるケース

選挙お役立ち情報

 選挙運動は原則無報酬です(ただし交通費や宿泊費、弁当代などの実費弁償は除く)。運動員に対して報酬を支払うと買収とみなされ、公職選挙法違反となる可能性があります。

 ただし、以下の人物に対しては、報酬の支払いが認められています。

①車上運動員

 選挙カーに乗車してマイクで候補者の名前や政策を伝える人。いわゆる「ウグイス嬢」のことです。ウグイス嬢という言葉自体、DE&I(多様性、公平性、包括性)の観点から使うことが憚れれる言葉ですが、伝わりやすいと思い、あえて使用しました。

②手話通訳者

 その名の通り、候補者の演説内容を手話で伝える人です。

③要約筆記者

 候補者の演説内容をリアルタイムで文字にして伝える人です。

④労務者

 立候補準備や選挙運動で単純な機械的労務を行う人です。例えば、ポスター貼りや演説会の準備、事務所でお茶を出す人などです。単純な機械的労務と規定されていますが、なくてはならない仕事だと思います。

⑤事務員

 選挙運動に関する事務を担当する人です。

 上記のうち、①②③は選挙運動員として、投票の勧誘など選挙運動を行うことは可能です。④⑤は選挙運動を行うことはできず、あくまで労務、または事務に従事するにとどまります。

 報酬には上限が定められており、①②③は日額15,000円以内、④⑤は日額10,000円以内。活動時間が予定より延びた場合でも、残業代を支払うことはできません。

 ①②③⑤については、報酬を支払うことができる人数の上限が選挙ごとに規定されています。議員選挙の場合、政令市は12人(選挙期間中の延べ人数60人)以内、それ以外の市が9人(同 45人)以内、町村が7人(同 35人)以内です。

 また、報酬を支払う場合は事前に選挙管理委員会への届け出が必要です。

 2019年の参院選広島選挙区で発覚した選挙違反事件では、大規模な買収行為に加え、車上運動員に対して15,000円を超える報酬が支払われたとされています。日付や費目が異なる2枚の領収書を作成するという手口でした。

 当時、「日額15,000円は安く、なり手がいないために手を染めた」といった論調が一部に見られました。しかし選挙運動は原則無報酬であることを踏まえれば、この論調は本質を外していると言わざるを得ません。

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