書く仕事を20年近く続けているせいか、「ことば」に関する素朴な疑問について、とりとめもなく考えてしまう癖があります。
選挙や政治の言葉にも、少し引っかかる言葉がいくつかあります。その一つが「議員報酬」と「歳費」です。
議員報酬とは、地方議会の議員に支給される報酬のことです。地方自治法203条で規定されており、各自治体の条例で定められた金額が支払われます。
これに対し歳費は、衆参両議員に支払われる報酬を指します。地方議会の議員に支払われるお金について、通常は歳費と呼びません。
日本国憲法第49条には「国庫から相当額の歳費を受ける」と規定されています。また国会法第35条でも「歳費」という言葉が用いられており、さらに「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」(いわゆる歳費法)でも同様の表現が使われています。
なぜ国会議員と地方議員で呼び方が異なるのか―。調べてみましたが、明確な理由は見当たりませんでした。ただ分かったのは、戦前の議院法で「歳費」という言葉が既に使われていたということです。現行憲法や国会法も、この呼び方を踏襲したものだと考えられます。
「歳」とは文字通り年齢や年数を意味する言葉で、おそらく報酬が年払いだったのでしょう。現在は安定的な政治活動につなげるため、労働の対価として月ごとに支払われるようになっています。毎月の支払額は歳費法で決まっており、この額のことを「歳費月額」と言います。
この歳費月額という言葉も、字面を見れば見るほど不思議な四字熟語です。歳費なのに、なぜ月額なのでしょうか。いっそのこと「歳費:という言葉を廃止し、地方議員同様「議員報酬」という言葉に統一したほうが分かりやすいのではないでしょうか。



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