選挙事務所と投票所

選挙コラム

  選挙活動の司令塔とも言える選挙事務所ですが、場所を決める際に注意していただきたいのが、近くに投票所が設けられるかということです。公職選挙法第132条に「何人も、投票所の入口から三百メートル以内の区域においては、選挙運動をしてはならない」との規定があり、半径300メートルの範囲内に選挙事務所を設置すると投票干渉とみなされるおそれがあります。

 選挙における基本的なルールではありますが、意外と気付かないことが多いです。投票所は、期日前投票所を除いて原則として投票日当日にのみ設けられ、常設ではないことから見落としやすいのではないかと思います。なお、入り口が二つ以上ある施設が投票所となる場合、それぞれの入り口から300メートル離れていないといけません。

 私が新聞記者として十数年間、地方選挙を取材する中で、この規定に抵触した事例に遭遇したことが2回ありました。いずれも首長選挙です。

 1回目は、選挙管理委員会が違反に気付き、陣営に忠告しました。候補者は投票日当日に選挙事務所を閉鎖せざるを得ませんでした。閉鎖が関係したわけではないと思いますが、この候補は落選しました。

 2回目は、私自身が気付いたケースです。まさに、たまたまの発見でした。住宅地図で確認したところ、やはり投票所から300メートル以内だったので、陣営に伝えました。この候補者は選挙当日に事務所を移転。結果的に無事当選することができました。

 ちなみに選挙事務所の移転は、1日1回まで可能です(公職選挙法第131条2項)。もっとも、移転には費用がかかり、運動員にとっても負担となるので、引っ越ししないに越したことはありません。候補者としては、支えてくれたスタッフたちと共に汗を流した事務所で、当選のバンザイをしたいものです。

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